コラム26 ~「トイレ」の話

コラム26 ~「トイレ」の話

投稿日時:2021年10月24日

 若い人たちは、小さい頃から、トイレはほぼ現在と同じであり、「こんなものか」と、当たり前に思っているかもしれませんが、トイレは、大きく変化(進化)していたのでした。

 私が子供の頃、実家(新潟の田舎)では、「ぼっちゃん便所」(汲み取り式)で、しかも、大きな穴の真下にタンクがあり、上から水面が見えていました。

 ある時、トイレから、「助けて~」って声がしたので、行ってみると、小さい祖母が、お尻からトイレの穴にはまって、身動きがとれなくなっていました。慌てて引っ張り上げ、事なきを得ましたが、「トイレは、怖いところだ」と、刷り込まれました。

 その後、ようやく水洗トイレになり、便器も変わり、垂直直下型の穴もなくなりましたが、その頃の水洗トイレは、大きな箱よりぶら下がった紐を引っ張るタイプでした。

 TOTOが「ウォシュレット」(温水洗浄便座)を販売したのは1980年でした。
それ以前にも、米国産を販売していましたが、やがて国産化に踏み切ったものの、温水で火傷を負うなど性能は悪いものでした。
TOTOは独自に研究開発を進め、清潔好きな日本での普及が見込めることなどから、1980年に発売を開始しました。

 ちなみに、INAX(現・LIXIL。同社の名称は「シャワートイレ」)や他社製の同種類のものも含め「ウォシュレット」と呼ばれるほど定着していますが、「ウォシュレット」の名称はTOTOの登録商標です。

 ある日、テレビから
「おしりだって、洗ってほしい。」(by戸川純)
の、CMが流れてきました。
「飯を食っている時に便器の宣伝とは何だ!」などと視聴者からクレームが出ましたが、かなりインパクトのあるCMで、「こんなの、売れるわけがない」と、当時思いました。
 しかし、着座センサー、ふたの自動開閉や便器洗浄、さらには消臭、脱臭、芳香の機能の搭載等、多機能化が進み、徐々に浸透していきました。
 このようなトイレの多機能化は日本独特のものです。マドンナが2005年に来日した時、「日本の暖かい便座が懐かしかった」とコメントしています。

 私が、初めてウォシュレットを利用したのは、東京のデパートのトイレだったと思います。

 便座に座り、ボタンを押したら、いきなり水が勢いよく急所を直撃して、飛び上がってしまいました。

 立ち上がっても、水流は止まらず、ズボンがびちゃびちゃになりました。
 ようやくボタンを押して、水を止め、座ってお尻を拭こうとしたら、
 濡れているせいか、指がトイレットペーパーを突き抜け、お尻の中にずぼっと入ってしまいました。
 私は、再び飛び上がってしまいました。
「やっぱりトイレは怖いところだ」と、再確認しました。

 最後に、「トイレの話」の中で、私が気に入った体験談を1つ。

高速道路のサービスエリアで、 トイレに立ち寄りました。
手前の個室はふさがっていたので、その隣に入りました。
便器に腰を下ろそうとしたその時、隣から 「やあ、元気?」と声がしたのです。
どうしていいかわからなかったので、ためらいがちに「まあまあだよ」と答えました。
すると隣人は「そうか…それで、今何してるの?」と言うのです。
妙だなと思いましたが、私はこう答えました。
「君と同じだよ。ウ●コしようとしてるんだ!」
やがて隣の男は、声をひそめてこう言ったのです。

「おい、あとでかけ直すよ。隣の個室に、俺の話にいちいち答えるアホがいるんだ!」