コラム21 ~「巨人、大鵬、卵焼き」

コラム21 ~「巨人、大鵬、卵焼き」

投稿日時:2021年9月19日

巨人(きょじん)・大鵬(たいほう)・卵焼き(たまごやき)』とは、国民に人気があり、また、日本人が大好きなものの象徴として、1960年代に大流行した言葉です。

言葉の言い回し具合や、語呂が良いので、大衆に広まりました。

1961年(昭和36年)に堺屋太一(作家、元官僚)が、記者会見の席で披露した言葉から広まった、と言われています。

●巨人
プロ野球の読売巨人軍(ジャイアンツ)。
当時、日本シリーズ9連覇(いわゆるV9)し、特に王貞治、長嶋茂雄(いわゆるON)の大活躍で、強くて大人気のチームでした。

●大鵬
優勝32回を誇る歴史的大横綱です。
連勝記録は、45連勝で終わりましたが、46連勝目は、「世紀の大誤審」であって、ビデオ導入が始まりました。
大鵬の人気は記録のみならず、度重なるケガにも努力をし、負けない安定感のある相撲と、イケメンぶりで絶大な人気を博しました。
大鵬自身は「巨人と一緒にされては困る」と語ったこともあるそうです。大鵬はアンチ巨人でした。

●卵焼き  
当時の卵は、かなり贅沢な食材で、甘く厚焼きにした卵焼きは、子どもも大人も誰もが憧れの大好きな献立でした。
鶏卵は1950年代から現代に至るまで価格の変動がほとんどなく、「物価の優等生」と呼ばれています。

 一方、「嫌われるもの」の代名詞として
江川・ピーマン・北の湖
という呼び方が1970年代後半(昭和50年代前半)に揶揄的になされました。
江川卓は江川事件による巨人への入団経緯への印象から、北の湖は大鵬とは逆に太々しい強さ、が仇となり、このように呼ばれました。
私は、江川の大ファンであり、ピーマンも好きなのですが、、、

 昔は、情報を得るものが、ほとんどテレビからで、皆同じもの(チーム、個人、食べ物など)を好み、応援していましたが、現代では、好みが多様化しています。

 『巨人・大鵬・卵焼き』は現代では、何でしょう?
調べてみると、
「真央ちゃん・iPhone・回転寿し」、「たけし・イチロー・ハンバーグ」、「スマホ・LINE・ツイッター」、「鬼滅・スイッチ・ユーチューブ」なんてのが、ありましたが、これも、どんどん移り変わっていくでしょう。

 私としては、
(宮里)藍ちゃん・(石川)遼くん・(藤井)聡太くん
を推したいと思います。

 なお、大鵬はアンチ巨人でしたが、王貞治だけは例外でした。大鵬と王は同じ年であり、ともに外国人ハーフ、と共通点が多かったためと言われています。

 最近では、「大坂 なおみ」や「八村 塁」などが有名ですが、スポーツ界は、昔からハーフが多くいました。

例えば、「大鵬」は、樺太(サハリン)生まれ。父親はウクライナ人、母親が日本人ですし、「王 貞治」は、父親は台湾人、母親が日本人です。

 芸能界でも、昔から多くのハーフが活躍していました。
「草刈 正雄」(父親はアメリカ人、母親が日本人)、「宮沢 りえ」(オランダ人―日本人)、「滝川 クリステル」(フランス人―日本人)、「沢尻 エリカ」(日本人―フランス人)などが有名です、

 そうそう、「山本リンダ」(アメリカ人―日本人)を忘れてはいけません。「リンダ、困っちゃう♡」

 小学生の頃、
「困っちゃうな~、デートに誘われて~」の替え歌で、
まだ生えていないのに、
「困っちゃうな~、あそこに毛が生えて~♪」
と、皆(もちろん男子児童だけですが)で歌い、大人の世界を夢見ていました。