コラム4 ~コマーシャル・シンドローム

コラム4 ~コマーシャル・シンドローム

投稿日時:2021年5月24日

 私が小さいとき、家にテレビは1台しかなく、さらに民放テレビは一局しかなく、テレビのチャンネル選択権は親父が独占していたので、やたらNHKか、プロ野球(巨人戦)を見ていた気がします。(だからかもしれないが、未だに私は巨人ファンです。)

 テレビは面白く、またアニメ(日本第1号のカラーアニメ「ジャングル大帝」など)や特撮シリーズ(「ウルトラQ」から始まるウルトラシリーズなど)は、よく見ていた記憶があります。

 民放には、もちろんCM(コマーシャル)が入るのですが、CMも面白く、CMのセリフや、音楽が流行ったりしていました。
 しかし、段々CMも面白くなくなってきて、CM=トイレタイムとなっていきました。

 それでも、毎回トイレに行くわけでもないので、嫌でもCMを見てしまうのですが、番組が盛り上がってきて、「さあ、いよいよ」と身を乗り出してワクワクした途端、CMになったりする。

 これは、わざと「CMを見させる」「チャンネルを変えさせない」ためのテレビ局の技で、「CMまたぎ」(または「山場CM」)と言うんだそうであるが、露骨なCMまたぎは、以前から問題となっており、「不愉快」と思う人はかなり多く、中には「そのCMの商品は買わない」と怒りの感情さえ生んだりします。
(調査によると、日本は先進国中「CMまたぎ」が非常に多く、仏、英国は「CMのタイミング」が法律で決められていて、ほぼゼロだそうです。)

 作家で医師の渡辺淳一は、このCMまたぎは、イライラ感を蓄積させ、「怒りっぽい」「飽きやすい」等性格の変化を生じ、ついには精神に異常をきたす、と「CM症候群(コマーシャルシンドローム)」と呼んで批判しました。
 また、作詞家の阿久悠は、「(答え、結果は)CMの後で」と言った途端に、チャンネルを変えたそうです。

 こういったことが、若者のテレビ離れの要因の一つだとされていますが、中には、良いCM、為になるCMもあるので、テレビ局、スポンサーともに、改善してもらいたいと思います。

 若いときは、ほとんど民放ばかり見ていて、「NHKなんて年寄りだけが見るものだ」と思っていましたが、CMがないという理由ではないでしょうが、最近はNHKをよく見てしまいます。